名古屋市鶴舞線いりなか駅近くの女性医師による精神科・心療内科|りさ杁中こころのクリニック

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思春期の不安症

ここでは、当院で対象としている16歳以上(学校でいうと高校生以上)の思春期の不安症についてご説明します。

思春期の不安症と成人期の不安症の違い

「思春期のうつ病」のページでは、思春期のうつ病と成人期のうつ病との違いについて説明しましたが、不安症も思春期の不安症と成人期の不安症では異なる点がございます。

抗うつ薬によって「アクチベーション」が生じやすい
抗うつ薬の稀な副作用として、「アクチベーション」という、不安や焦燥、不眠などが抗うつ薬によって逆に強まってしまうものがあります。思春期の不安症では、成人期の不安症よりも「アクチベーション」をきたすリスクが高いと報告されており、注意が必要です。

では、「思春期のうつ病」で説明していたような、抗うつ薬によって死にたい気持ちが増えるリスクが増えるかどうかですが、「思春期の不安症」に抗うつ薬を使うと死にたい気持ちが増えるということを示した論文は(私が調べたところでは)ありません。ただ、薬の添付文書には、うつ病も不安症も全て含めて、「抗うつ剤の投与により、24歳以下の患者で、自殺念慮、自殺企図のリスクが増加するとの報告があるため、本剤の投与にあたっては、リスクとベネフィットを考慮すること。」と記載されていて、成人期よりは慎重にした方が良いということなのかもしれません。

思春期の不安症の治療

精神療法(≒カウンセリング)
精神療法思春期の不安症の患者さんにも、認知行動療法が効果があります。ただ、成人期の認知行動療法と大きく違うのは、児童思春期の認知行動療法ではご家族の協力が必要であるということです(成人の認知行動療法は基本的には家族同席面接はありません)。不安症の認知行動療法では、公共交通機関を使う練習など費用を要するものなどもあったりするので、当然のことかもしれません。思春期の認知行動療法の研究はいくつかあるのですが、ご家族と治療者との面談があったり、場合によっては、家族に認知行動療法のコーチ役をしてもらうことを狙ったマニュアルもあります。どの程度ご家族に関わってもらうかは、患者さんごとの発達段階にもよります。

薬物療法
思春期の不安症の方への抗うつ薬は、先ほど記載した通り、不安や焦燥感が強まったりとリスクがあるため、使用するかの判断は慎重にしなくてはいけません。効果があることも多いため、経過や症状によって使用の可否を決めます。「安定剤」と呼ばれる薬に関しては、「思春期のうつ病」でも説明したのと同じですが、年齢の若い患者さんでは「脱抑制」と呼ばれる、一時的に抑制が外れてしまう副作用が生じやすいと言われているため、使用は慎重にしたほうが良いとされています。

当院における思春期の不安症の診療の工夫

家族同席面接と個人面接のバランス
成人期の患者さんの面談は、患者さんご本人とお話しする時間が中心ですが、思春期の患者さんの面談では必ず親御さんとお話しする時間も設けています。患者さんの話を補ってもらったり、症状に対する対応法をお伝えしたりします。ただ、思春期では、親御さんには話しにくい話題もあるものですので、全ての面談で親御さん同席というわけではなく、患者さんとの個人面談の時間も設けています。

認知行動療法的なアプローチの実施
パニック症や社交不安症のある患者さんに対して、認知行動療法を実施することができます。基本的には患者さん本人主体で行いますが、ご家族にも「何をするのか」を理解してもらいながら実施します。きちんと時間を設けて構造化して行うとすると予約料がかかりますが、簡易版でしたら通常外来で実施しています。

学校との連携
患者さんの希望がある場合のみですが、学校の先生とお話しすることもできます。

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