ぐるぐる思考(反芻思考)
ぐるぐる思考(反芻思考)とは
過去の失敗・嫌な出来事・将来の不安などを、頭の中で繰り返し考え続けてしまう状態を指します。 医学的には 反芻思考(rumination) と呼ばれ、誰にでも起こりうる“考え方のクセ”のひとつです。
- 寝る前に嫌な記憶が浮かんで何時間も考えてしまう
- 同じ不安を何度も頭の中で再生してしまう
- 「考えても仕方ない」と分かっていても止められない
こうした状態が続くと、気分が落ち込みやすくなり、ストレスに対する抵抗力も下がります。
健康な人にもあるが、メンタル不調を悪化させるリスクがある
ぐるぐる思考は、完全に“悪いもの”ではありません。もともとは「問題を解決しようと考える」ための自然な仕組みだからです。しかし、問題解決につながらないまま同じ考えを回し続けてしまうと、
- うつ病
- パニック症などの不安症
- 適応障害
- 身体表現性障害
- 過敏性腸症候群(IBS)・機能性ディスペプシア(FD)
- 摂食障害
など、多くの精神疾患の発症・再発リスクを高めることが研究で分かっています。ぐるぐる思考そのものが症状を悪化させる「燃料」になることがあるため、早めの介入がとても有効です。
当院におけるぐるぐる思考(反芻思考)の診療の工夫
行動分析(ABC 分析)で「ぐるぐる思考が起きる状況」を明確にする
ぐるぐる思考は「性格」ではなく、「状況と行動のパターン」です。
当院では、まず次のような点を丁寧に分析します。
- ぐるぐる思考がいつ起きるか?
- どんな感情のときに強くなるか?
- ぐるぐる思考が続くことでどのようなメリットがあるか?
- ぐるぐる思考が始まるきっかけは何か?
これにより、患者さんご自身にも 「自分のぐるぐる思考の仕組み」 が理解しやすくなり、改善が進みます。
行動分析の結果、
- 活動量がかなり減っていて反芻思考が増えている場合は、生活リズムを整えるために行動活性化を行ったり、
- 活動量は保たれているが、「何もしていない時間」や「単調な作業中」に思考がふくらむ場合は、考えのループをほどくためにマインドフルネスを練習したりします。
このように、必要に応じて最適な方法を選んでいきます。
多くの疾患で共通する「ぐるぐる思考の悪循環」を断つ
ぐるぐる思考は、特定の疾患に限らず、さまざまなメンタル不調の背景に共通して見られます。
- 不安症→不安について考えすぎて悪化する
- パニック症 → 「また起きたらどうしよう」で予期不安が強まる
- 機能性ディスペプシア・過敏性腸症候群 → 症状に注意が向きすぎて症状が悪化
- 不眠 → 寝る前の反芻で入眠が妨げられる
- うつ病 → 落ち込み→反芻→さらに落ち込む
この“共通の悪循環”を断つことで、症状の改善が大きく進むことがよくあります。
このような方はご相談ください
- 寝る前にぐるぐる考えてしまい眠れない
- 何度も同じ不安が頭に浮かび続ける
- 気持ちが落ち込みやすく、嫌な記憶を繰り返し思い出す
- 何もしていないと不安が強くなる
- ストレスが続くと反芻が止まらなくなる
- 身体症状(胃痛・動悸・頭痛など)と一緒にぐるぐる思考が出てくる
必要に応じて、薬物療法・行動療法・マインドフルネスなどを組み合わせ、 「考えのクセが軽くなる生活」を一緒に作っていきます。
診療時間
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